概 要
10年に一度執り行われる、松江城内に鎮座する城山稲荷神社の「御神霊」を、約10km離れた東出雲町の阿太加夜神社まで船で運び、七日間にわたり天下泰平と五穀豊穣を祈願して還る船神事です。
370年の歴史を有すこの神事は、正式には「松江城稲荷神社式年神幸祭」と呼ばれ、日本三大船神事の一つに数えられています。神幸の曳き船「櫂伝馬船」の櫂を操る音頭取りと、櫂かき(漕ぎ手)が調子を合わせて唄った掛け合いの言葉が「ホーランエンヤ」の名前の由来と言われており、約100隻の船が大橋川と意宇川を舞台に繰り広げられます。
神事は9日間にわたって執り行われ、五大地と呼ばれる地域それぞれ色とりどりに装飾した櫂伝馬船に乗り組み、松江市指定無形民俗文化財「櫂伝馬踊り」を勇壮に披露します(中日祭では陸船の上で披露されます)。
それぞれの地域ごとの威勢のいいホーランエンヤの唄声に整然と揃う櫂さばき、舳先で威風堂々見得を切る歌舞伎風衣装の剣櫂、艫で艶めかしく身をくねらす女姿の采振りが見所です。
起 源
松江藩主松平直正が出雲に入国して十年目の慶安元年(1648年)、天候不順で出雲地方の稲作をはじめ五穀の凶作が予想さました。これに心を痛めた直正は自ら信仰する城山稲荷神社の「御心霊」を、当時効験の誉れが高く稲荷神社の社司を兼務していた阿太加夜神社の神主松岡兵庫頭に命じ、阿太加夜神社へ船でお運びし、長期にわたり五穀豊穣を祈願させることにしました。
これが松江城山稲荷神社式年神幸祭のはじまりといわれ、祈願は見事に成就し、以後当初は十年ごとに神幸祭が行われる慣わしとなたといわれています(一時期十二年に一度となったが、2019年以降は十年に一度毎の開催とりました)。
ダイジェスト
2019年開催の模様を渡御祭(とぎょさい:2019年5月18日)、還御祭(かんぎょさい:5月26日)両日とも松江新大橋から撮影し、ダイジェストとして編集しました。
遠くからの撮影となってしまい、多少見え辛いですが予めご容赦ください。
尚、同じ撮影場所での360°viewはこちらからご覧いただけます。